ONKYO Integra T-408

ONKYO Integra T-408 をゲット!

2012年9月7日、 ONKYO Integra T-408 の中古を 入手しました。 FM 専用チューナ です。

ウットリするデザイン に惚れての入手です。

バリコン式ですが クリスタルロック で水晶発振器の精度に同調するという珍しい方式です。

クリスタルロックで T メータの針がストンとセンターに引き込まれるのを見ると エクスタシー を感じます。



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. フロントエンド部は5連バリコン式で、トラッキング調整できます。

  3. IF 部は以下の構成です。

  4. S メータはリニアスケールです。

  5. 検波部は広帯域レシオ検波です。

  6. FM MPX 部は [HA11223] による PLL MPX です。 パイロットキャンセラー回路も組み込まれています。

  7. クリスタルロック部では常に IF 周波数が 10.7MHz になるようフロントエンドの OSC を PLL 制御します。



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. クリスタルロック基板の調整

    手順 T-408 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 AIR CHECK : OFF
    NOISE FIL : OFF
    MODE : STEREO
    MUTING LOCK : OFF
    SELECTIVITY : WIDE
    - -  
    2 チューナ基板フロントエンド部近くの IF 端子に
    SSG より 10.7MHz 90dB 注入 (無変調)
    - -  
    3 - クリスタルロック基板
    L701
    チューナ基板
    S〜X 間電圧 = 0V
    ±1mV 以下
    4 - チューナ基板
    R821
    T メータ = 中点 T メータ NULL 調整

  2. FM 受信部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 T-408 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - AIR CHECK : OFF
    NOISE FIL : OFF
    MODE : STEREO
    MUTING LOCK : OFF
    SELECTIVITY : WIDE
    - -  
    2 79MHz 90dB
    変調 : MONO 400Hz
    79MHz 受信 OSC コイル T メータ = 中点 OSC トラッキング調整
    3 87MHz 90dB
    変調 : MONO 400Hz
    87MHz 受信 OSC トリマ T メータ = 中点
    4 手順2と3を数回繰り返す
    5 79MHz 40dB
    変調 : MONO 400Hz
    79MHz 受信 L001
    L002
    L003
    L004
    S メータ = 最大 RF トラッキング調整
    6 87MHz 40dB
    変調 : MONO 400Hz
    87MHz 受信 TC001
    TC002
    TC003
    TC004
    S メータ = 最大
    7 手順5と6を数回繰り返す
    9 83MHz 40dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    MUTING LOCK : ON
    L101
    L103
    S メータ = 最大 IF 調整
    10 83MHz 40dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信 - S メータ = 振れを記録する NARROW GAIN 調整
    11 83MHz 40dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    SELECTIVITY : NARROW
    R108 S メータ = 手順10と同じ振れ
    12 83MHz 60dB
    変調 : MONO 400Hz
    83MHz 受信
    SELECTIVITY : WIDE
    R138 S メータ = 80 S メータ調整
    13 83MHz 90dB
    変調 : MONO 1kHz
    83MHz 受信 L104 下側コア オーディオ出力 = 高調波歪率最小 レシオ検波調整
    14 83MHz 90dB
    変調 : MONO 1kHz
    83MHz 受信 L104 上側コア R125 左側電圧 = 0V
    15 手順13と14を数回繰り返す
    16 83MHz 90dB
    変調 : MONO 400Hz (100%)
    83MHz 受信 - オーディオ出力電圧
     = レベルを記録
    AIR CHECK 調整
    17 - - AIR CHECK : ON R608 オーディオ出力電圧
     = 手順14の1/2 (-6dB)
    18 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : OFF
    変調 : OFF
    83MHz 受信
    AIR CHECK : OFF
    R210 R210 近くの
    T.P. 周波数 = 76kHz±200Hz
    VCO フリーラン周波数
    周波数カウンタで測定
    19 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : OFF
    83MHz 受信 R213 オーディオ出力 = 19kHz 成分最小 パイロットキャンセル調整
    20 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : Stereo 1kHz
    83MHz 受信 L101
    L103
    オーディオ出力 = 高調波歪率最小 IF 歪調整
    ±90度の範囲で調整
    21 83MHz 90dB
    Pilot 信号 : ON
    変調 : R/L ch. only 1kHz
    83MHz 受信 R226 L/R ch. オーディオ出力 = 最小 セパレーション調整

  3. 調整結果

    項目 SELECTIVITY L R 単位
    ステレオセパレーション WIDE 51 53 dB
    ステレオセパレーション NARROW 29 29 dB
    パイロット信号キャリアリーク - -24 -23 dB
    オーディオ出力レベル偏差 (MONO) - 0 +0.20 dB
    AIR CHECK 信号 - -5.99
    503.9
    -6.38
    503.9
    dB
    Hz



使ってみました

  1. ホレボレする優秀デザイン

  2. クリスタルロック

    1. チューニングノブで目的の放送局に同調すると [LOCKED] ランプが点灯します。 このランプはクリスタルロックできる範囲に入ったことを示します。

    2. ここでチューニングノブから手を離すと [TUNED] ランプが点灯します。 このランプは 0.1MHz 単位でクリスタルロックしたことを示します。

    3. 同時に T メーターの針がストンとゼロ (中央) に引き込まれます。 この動作が堪らなく良いのです。 エクスタシーを感じます。

    4. 一旦クリスタルロックすると厳重にロックを保持します。 電源 ON で再ロックする機能もあります。

  3. スイッチ

  4. リアパネル

  5. 性能・音質とも合格



仕様