Accuphase T-105

Accuphase T-105 をゲット!

2012年1月22日、 Accuphase T-105 のジャンク品を8,100円で入手しました。

Accuphase 社が1980年10月に発売した定価12万円の高級 FM 専用ステレオチューナです。 御歳32歳 (2012年時点) になります。



程度&動作チェック

  1. 販売者のコメント

  2. 外観

  3. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りが非常に良く、綺麗に部品が並んでいます。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. ブロック図



  3. FM フロントエンド

  4. FM IF 部

  5. FM 検波部

  6. MPX 部

  7. その他



修理

  1. 全く受信できないなどの現象

  2. S メータのランプ切れ

  3. 操作ボタンの動作感触が悪く粘りがある

  4. プリセットメモリのバッテリバックアップ検討と修理



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント

  2. 電圧チェック

    ポイント 標準値 実測値 (参考) 備考
    [78M05] OUT +5.6V +5.74V MCU 用
    [78M15] OUT +15V +15.0V チューナ用

  3. FM 受信部の調整

    手順 SSG出力 T-105 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - MUTING : OFF
    FILTER : OFF
    MODE : AUTO
    SELECTIVITY = NORMAL
    - -  
    2 - 76.1MHz 受信 [フロントエンド]
    OSC コイル
    CV-IN 電圧 = 3.0V OSC トラッキング調整
    3 - 89.9MHz 受信 [フロントエンド]
    OSC トリマ
    CV-IN 電圧 = 20.0V
    4 手順2と3を数回繰り返す
    5 83.0MHz
    30dB
    mono 1kHz
    83.0MHz 受信 [フロントエンド]
    RF トリマ×4
    OSC Buffer トリマ
    S メータ = 最大 RF トラッキング調整
    6 [フロントエンド]
    IFT
    IF 調整
    7 83MHz
    90dB
    mono 1kHz
    T2 オーディオ出力 = 高調波歪最小 QR 検波調整
    8 T1 TP5 間電圧 = 0±10mV
    9 手順7〜8を数回繰り返す
    10 83MHz
    60dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信 - S メータ = 記録する NARROW GAIN 調整
    11 83MHz 受信
    SELECTIVITY = NARROW
    VR1 S メータ = 手順10と同一
    12 83MHz
    20dB
    mono 1kHz
    83MHz 受信
    SELECTIVITY = NORMAL
    VR2 S メータ = 20 S メータ調整
    13 83MHz
    100dB
    mono 1kHz
    VR3 S メータ = 100
    14 手順12〜13を数回繰り返す
    15 83MHz
    90dB
    mono 1kHz
    (100%)
    83MHz 受信 VR4 MODULATION メータ = 100% M メータ調整
    16 83MHz
    21dB
    mono 1kHz
    VR5 MUTING = ON/OFF 閾 MUTING レベル調整
    17 83MHz
    90dB
    mono 1kHz
    MUTING : ON
    FILTER : OFF
    MODE : AUTO
    SELECTIVITY = NORMAL
    83MHz 受信
    VR9 TP3 = 76kHz VCO 調整
    18 83MHz
    90dB
    stereo 1kHz L+R
    VR8 オーディオ出力 = 19kHz 成分最小 パイロットキャンセル調整
    19 83MHz
    90dB
    stereo 1kHz L+R
    [フロントエンド]
    IFT
    オーディオ出力 = 高調波歪率最小 IF 歪補正
    20 83MHz
    90dB
    stereo 1kHz R/L
    VR6 L/R ch. オーディオ出力 = 最小 セパレーション調整

  4. 調整結果

    項目 SELECTIVITY L R 単位
    ステレオセパレーション (1kHz) NORMAL 59 62 dB
    NARROW 22 22 dB
    パイロット信号キャリアリーク NORMAL -70 -70 dB
    オーディオ出力レベル偏差 (MONO) 0 +0.16 dB



使ってみました

  1. デザインに気品がある!

  2. 機能関連

  3. 性能・音質は優秀



仕様ほか

  1. ドキュメント

  2. 仕様

    FM モノラル特性
    実用感度 11.2dBf/2.0uV
    S/N 50dB 感度 17.3dBf/4.0uV
    定在波比 1.5
    S/N 比 (65dBf/1mV 入力) 80dB
    高調波歪率
    (65dBf/1mV 入力, ±75kHz 偏移, Normal)
    100Hz:0.04%
    1kHz:0.04%
    6kHz:0.08%
    10kHz:0.04%
    IM 歪率 (14kHz:15kHz=1:1)
    (65dBf/1mV 入力, ±75kHz 偏移)
    0.01%
    周波数特性 10Hz〜16kHz +0 -0.5dB
    2信号選択度 (45dBf/100uV 入力) Normal:60dB (400kHz) / 8dB (200kHz)
    Narrow:100dB (400kHz) / 22dB (200kHz)
    キャプチャーレシオ 1.5dB
    RF 相互変調 80dB
    スプリアス妨害比 120dB
    イメージ妨害比 120dB
    IF/2スプリアス・レスポンス 100dB
    AM 抑圧比 (65dBf/1mV 入力) 80dB
    サブキャリア抑圧比 70dB
    SCA 妨害比 80dB
    出力電圧 (±75kHz 偏移) 1.0V
    FM ステレオ特性
    感度 S/N 40dB:28.8dBf/15uV
    S/N 50dB:37.3dBf/40uV
    S/N (65dBf/1mV 入力) 75dB
    全高調波歪率
    (65dBf/1mV 入力, ±75kHz 偏移, Normal)
    100Hz:0.04%
    1kHz:0.04%
    6kHz:0.08%
    10kHz:0.08%
    IM 歪率 (9kHz:10kHz=1:1)
    (65dBf/1mV 入力, ±75kHz 偏移)
    0.03%
    周波数特性 10Hz〜16kHz +0 -0.5dB
    ステレオ分離度 100Hz:50dB
    1kHz:50dB
    10kHz:45dB
    ステレオ切替入力電圧 19.2dBf/5.0uV
    その他
    受信周波数範囲 76.1〜89.9MHz
    同調方式 クォーツロック・フリケンシー・シンセサイザ方式
    マニュアル:パルスチューニング
    メモリ:6局
    周波数確度 ±0.002%
    出力インピーダンス 固定出力:200Ω
    可変出力:1.25kΩ (最大)
    アンテナ 75Ω不平衡
    メータ 信号強度/マルチパス/モジュレーション切替式
    使用半導体 26Tr, 3FET, 24IC, 73D, 2 opto-coupler
    電源 AC100V, 50/60Hz
    消費電力 25W
    外形寸法 445(W)×128(H)×370(D)mm
    重量 8.4kg
    別売 ウッドキャビネット A-9 (\16,000)
    発売時期 1980年10月
    定価 120,000円