SONY ST-535

SONY ST-535 をゲット!

2011年9月14日、 SONY ST-535 という FM/AM チューナを1,000円で入手しました。

ダイヤル指針が糸賭け機構によって動くというアナログチューナです。 ところが FM 5局+AM 5局のプリセットができるのです。

ひょっとしたら YAMAHA T-7 のようにモータとプランジャを使ってバリコンと指針を動かすのかしら?と興味を持ってゲット!しました。



早速、程度&動作チェック

  1. 外観

  2. 入手した状態のまま電源 ON してチェックしました



カバーを開けてみました

  1. 基板の作りは良いです。 チューナー基板とデジタル表示基板に別れます。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. IC を使用して合理化が図られています。

    メーカ IC 機能
    SANYO LC7253 5桁周波数表示 (蛍光表示管)
    SONY 168 FM/AM System
    178 FM Stereo Multiplex Demodulator

  3. FM フロントエンド

  4. FM IF 部

  5. FM 検波部

  6. FM MPX 部

  7. AM 受信部



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. テストポイント

    調整手順に出てくる TP1, TP2, TP3 とは以下の場所です。



  2. 電圧チェック

    手順 TP 及び調整値 備考
    1 R512 リア側電圧 = 標準値 16V 実測値 15.8V

  3. デジタル周波数表示部の調整

    手順 操作 備考
    1 FUNCTION : AM  
    2 同調ノブを回し 1600kHz 付近で LC7253 6pin = 2050kHz となる位置とする 周波数カウンタで測定
    3 RT302 でデジタル周波数表示が 1600.0kHz となるよう調整  
    4 FUNCTION : FM  
    5 同調ノブを回し 90MHz 付近で LC7253 6pin = 793kHz となる位置とする 周波数カウンタで測定
    6 RT301 でデジタル周波数表示が 90.00MHz となるよう調整  

  4. AM 受信部の調整・・・ 【注意】このパートの調整では受信周波数はデジタル表示部を見ること!

    手順 SSG周波数 SSG出力 ST-535 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - FUNCTION : AM - -  
    2 - - 600kHz 受信 T102 FE B2電圧 = 3.2V VT Low
    3 - - 1600kHz 受信 CT202 FE B2電圧 = 21.8V VT High
    4 - - - - 手順2と3を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    5 600kHz 40dB
    変調 : OFF
    600kHz 受信 バーアンテナのコア RV201 電圧 = 最大  
    6 1600kHz 40dB
    変調 : OFF
    1600kHz 受信 CT201 RV201 電圧 = 最大  
    7 - - - - 手順5と6を数回繰り返す RF トラッキング調整
    8 1100kHz 40dB
    変調 : OFF
    1100kHz 受信 IFT202
    IFT203
    RV201 電圧 = 最大 IF 調整

  5. FM 受信部の調整・・・ 【注意】このパートの調整では受信周波数はデジタル表示部を見ること!

    手順 SSG周波数 SSG出力 ST-535 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - MODE : STEREO
    FUNCTION : FM
    - -  
    2 - - 76MHz 受信 フロントエンド
    OSC コイル
    FE B2電圧 = 3.0V VT Low
    3 - - 90MHz 受信 フロントエンド
    OSC トリマ
    FE B2電圧 = 21.0V VT High
    4 - - - - 手順2と3を数回繰り返す OSC トラッキング調整
    5 76MHz 30dB
    変調 : OFF
    76MHz 受信 フロントエンド
    RF コイル×3
    RV201 電圧 = 最大  
    6 90MHz 30dB
    変調 : OFF
    90MHz 受信 フロントエンド
    RF トリマ×3
    RV201 電圧 = 最大  
    7 - - - - 手順5と6を数回繰り返す RF トラッキング調整
    8 83MHz 30dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信 フロントエンド
    IFT
    RV201 電圧 = 最大 IF 調整
    9 83MHz 90dB
    変調 : MONO 1KHz
    83MHz 受信 IFT201 黒コア オーディオ出力 = 高調波歪最小  
    10 83MHz 90dB
    変調 : MONO 1KHz
    83MHz 受信 IFT201 赤コア TP1〜TP2 間電圧 = 0V  
    11 - - - - 手順9と10を数回繰り返す QR 検波調整
    12 83MHz - - RV301 TP3 = 76kHz±200Hz VCO フリーラン周波数調整
    周波数カウンタで測定
    13 83MHz 90dB
    変調 : R/L ch. only 1kHz
    83MHz 受信 RV302 L/R ch. オーディオ出力電圧 = 最小 セパレーション調整
    14 83MHz 45dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信 RV201 S メータ表示 = フル スレッシュレベル S メータ調整
    15 83MHz 30dB
    変調 : OFF
    83MHz 受信 RV302 MUTING = ON/OFF スレッシュレベル MUTING レベル調整

  6. アナログ周波数スケールの調整・・・ダイヤル指針をデジタル周波数表示と一致させます (デジタル周波数表示は絶対的に正しく、これにダイヤル指針を合わせるのです)

    手順 ST-535 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 FUNCTION : AM - -  
    2 ダイヤル指針を 600kHz に合わせる RV501 デジタル周波数表示を 600.0kHz に調整  
    3 ダイヤル指針を 1100kHz に合わせる RV502 デジタル周波数表示を 1100.0kHz に調整  
    4 ダイヤル指針を 1600kHz に合わせる RV503 デジタル周波数表示を 1600.0kHz に調整  
    5 - - 手順2から4を数回繰り返す AM 周波数スケールのトラッキング調整
    6 FUNCTION : FM - -  
    7 ダイヤル指針を 76MHz に合わせる RV504 デジタル周波数表示を 76.00MHz に調整  
    8 ダイヤル指針を 83MHz に合わせる RV505 デジタル周波数表示を 83.00MHz に調整  
    9 ダイヤル指針を 90MHz に合わせる RV506 デジタル周波数表示を 90.00MHz に調整  
    10 - - 手順7から9を数回繰り返す FM 周波数スケールのトラッキング調整

  7. 調整結果

    1. ステレオセパレーションは良いです。

    2. キャリアリークは悪いです。 どこにもフィルタらしきものが入っていないので当然ですが。

      項目 L R 単位
      ステレオセパレーション 50 52 dB
      パイロット信号キャリアリーク -30 -29 dB
      オーディオ出力レベル偏差 (MONO) 0 +0.04 dB



使ってみました

  1. セットコンポのチューナにしてはマシなデザイン

  2. 機能関連

  3. 端子類

  4. 受信性能&音質



仕様&その他