OWON PDS6062T をゲット!
2017年1月6日、
秋月電子通商八潮店
の
初売り特価市
でデジタルオシロスコープの
OWON
PDS6062T
を買いました。
税込18,000円でした。
定価は98,000円です。
もちろん新品です。
普段は、
秋月で PDS6062T が税込73,980円
で販売されているのでお買い得です。
[OWON PDS6062T]
[EZ Didital DM-1500]
[EZ Digital FC-3000]
で三種の神器です。
使ってみました
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デザインなど
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測定器らしい操作性重視のデザインです。
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ツマミやボタンは直感でイメージし易い配置になっています。
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8インチ TFT カラー液晶パネルなので、視野性やコントラストが良く、非常に見やすいです。
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350(W)×157(H)×103(D)mm / 1.8kg と軽量コンパクトです。
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フロントパネルの大きさはブラウン管式オシロスコープと同程度ですが、奥行が全然違います。
薄いです。
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ともかく奥行 10cm はありがたいです。
机の上に測定対象の機器と一緒に置けるので助かります。
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従来のブラウン管式オシロスコープは大きくて机の下(床の上)に置くしかありませんでした。
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[プローブ×2本] [USB ケーブル] [CD-ROM] [英文マニュアル] が付属しています。
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オールインワンなのですぐに使えます。
プローブが2本付属しているのがイイです。
プローブは高価ですから ・・・
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[CD-ROM] には pdf 版の英文マニュアル、PC キャプチャソフトなどが入っています。
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別売オプションで [バッテリユニット] [キャリングケース] もあるようです。
バッテリ駆動できるんだ。
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機能や操作
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帯域 60MHz でサンプリングレート 250MS/s なのでエントリークラスですが、これでも活用できる場面は多いです。
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テクトロ
に比べるとオモチャみたいなものですが、値段が値段なので納得です。
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入力した電気信号を A/D 変換し、メモリに記憶してから再生する方式なので、基本的に DSO です。
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この価格にしてはかなり多機能です。
波形観測でやりたいことは、ほぼ何でもできます。
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2つのカーソルを使って電圧&時間を計測&数値表示できます。
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FFT アナライズができます。
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カラー表示できるので各種情報表示が見やすく、波形もチャンネルごとに色が違い見誤ることがないです。
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画面表示用とは別に波形メモリが4個あるので、波形比較などに使えます。
チャンネルイメージで保存できます。
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波形画像や情報を USB でパソコンに取り込めます。
パソコンにリアルタイム表示も可能です。
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従来のブラウン管式オシロスコープと比べての優位点
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電源 ON してから5秒で使用可能になります。
ブラウン管式とは大違いです。
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ブラウン管はモノクロ表示ですが、PDS6062T はカラー表示です。
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ブラウン管ではどうしても管面歪が出ますが、液晶パネルには表示歪がありません。
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ブラウン管では磁気の影響で画面が傾くことがありますが、液晶パネルは磁気の影響を受けないです。
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昔のブラウン管式 DSO はメモリ量が少なく高周波用途では使い物にならなかったです。
これよりは PDS6062T のほうが超優秀です。
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パソコンへの観測波形のキャプチャが簡単で、画像としても CSV ファイルとしても取り込めます。
ブラウン管オシロスコープではできなかったことです。
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ガイドメニューが表示されるので、取扱説明書を読まなくても使えます。
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PC software for DSO をインストールして使ってみる
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PDS6062T に表示される表示データをパソコンに取り込むには [PC software for DSO] [USB driver] が必要です。
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[PC software for DSO] は付属の CD-ROM にも入っていますが、
OWON 本社
からダウンロードできるものが最新でした。
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[USB driver] は付属の CD-ROM に入っているものと、ダウンロードできるものは同一でした。
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Windows10/64bit 版のパソコンにインストールしてみましたが、正常にインストールでき、正常に動作しました。
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パソコンとは USB ケーブルで接続しますが、このケーブルがやや特殊で、
両端とも Type A
です。
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[PC software for DSO] を使うと PDS6042T に表示される波形を(ほぼ)リアルタイムでパソコンに表示できます。
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驚くことにパソコンで取り込んだ波形のほうが綺麗です。
686×455 の解像度です。
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PDS6062T の液晶パネルは 640×480 の解像度ですが、メニューも表示されるので、波形表示部は 500×375 程度の解像度しかありません。
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解像度を [686×455] → [500×375] に変換する時に崩れてしまうようです。
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[PC software for DSO] で波形保存する場合は画像の他に、
Excel ファイル (xls, csv) として保存
できます。
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実力 (性能) を試してみる
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帯域 60MHz でサンプリングレート 250MS/s なので使い物になるか心配だったので評価試験をしてみました。
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結果は以下のように、私の使う範囲 (主に FM チューナの IF 以降の波形観察) には十分使えると判りました。
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50MHz を観測
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無変調の 50MHz SSG 出力を観測しました。
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縦軸 50mV/DIV、横軸 5ns/DIV です。
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問題なく使えるレベルです。
帯域 60MHz なので当然かもしれません。
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100MHz を観測
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無変調の 100MHz SSG 出力を観測しました。
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縦軸 50mV/DIV、横軸 5ns/DIV です。
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波高値が1/3に減衰し、かつ、不揃いになります。
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帯域 60MHz のオシロスコープで 100MHz を観測しているので当然です。
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でも、周期 (周波数) 観測には使えるし、ピーク調整には使えそうです。
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思ったより実力がありそうです。
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1kHz 方形波を FFT 解析
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PDS6062T に内蔵されているテスト信号を FFT アナライズしました。
一番最初の写真に写っている波形です。
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縦軸 10dB/DIV、横軸 1kHz/DIV です。
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窓関数は [Rectangle] [Blackman] [Hanning] [Hamming] を選択できますが、[Hamming] で観察しました。
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これを見ると(方形波ですから)奇数高調波が出ていることが判ります。
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従来、スペクトラムアナライザ(周波数成分解析装置)は高価で手が出ませんでしたが、今では PDS6062T のような安価なマシンにもこの機能が備わっていることに驚きます。
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バッテリ駆動について
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純正オプションのバッテリは、Li ポリマ電池で 7.4V 8000mAh です。
どこで買えるのか見当がつきません。
また、買えても高価な気がします。
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オシロ PDS5022S をバッテリーで動かす実験
を見ると意外と簡単にバッテリ駆動化できそうです。
そのうち、やってみるかもしれません。
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Li ポリマ電池は過放電に弱く、Ni-MH 電池のほうが安心らしい。
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単3 Ni-MH 1300mAh 電池×6本で1時間程度駆動できるらしい。
2000mAh のものを使えば2時間いけるかもしれない。
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充電回路も既に内蔵されているらしい。
ただし、問題はオシロスコープの電源を ON にしたままにする必要があるらしい。
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総合評価
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私が普段扱う 30MHz までの用途 (短波帯および FM の IF 以降の観測) には十分期待に応えてくれます。
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ともかく軽量コンパクトなのが超ありがたいです。
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観測波形をパソコンにお手軽キャプチャできるのがイイです。
今まではブラウン管面をデジカメ撮影してと面倒でした。
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やや難点は ・・・
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帯域制限機能 (HPF とか LPF) がありません。
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入力感度を上げるとノイズが乗りやすいです。
内蔵電源から回り込んでいるかもしれません。
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先にも書いたように、液晶画面に表示される波形はあまり美しくありません。
微妙な波形の観測ではパソコンでリアルタイムキャプチャ画面を見たほうがよいかも ・・・
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総合的にこの性能で1万8千円は格安だったと思います。
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今まではデジタルオシロの性能に不安がありましたが、PDS6062T は十分使えるレベルと判りました。
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PDS6062T はエントリモデルとして良いマシンと判断します。
機会があれば上位モデルも使ってみたいです。
来年の初売りか???
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