LUXMAN T-117

LUXMAN T-117 をゲット!

2018年4月19日、 ヤフオクLUXMAN T-117税込127円 で落札しました。 送料のほうが、はるかに高かった。

激安の理由は [通電 NG] [傷と汚れあり] です。 全然構わないです。 修理する楽しみを一緒に買いました。

T-117 は前々から欲しかったのです。 [パルスカウント検波] [PLL 検波] の2つを持っています。 更に、[PLL 検波] の回路が珍しく IC 化されています。 性能をチェックしたいと思っていました。



まずは、電源 ON できない不具合を修理

  1. 電源 ON できるかチェック

  2. 電源 ON/OFF するロジック

  3. 調査

  4. 修理

  5. 考察



状態チェック

  1. 外観チェック

  2. 電源 ON にてチェック

  3. 総括



内部チェック

  1. 基板の作りは良く、部品が綺麗に整然と並んでいます。 写真をクリックすると拡大写真を表示できます。

  2. FM フロントエンド部は4連バリキャップ方式で、以下の構成です。 同調回路は1点トラッキングです。

  3. FM IF 部は以下の構成です

  4. FM 検波部は [パルスカウント検波] [PLL 検波] を切り換えて使います

  5. MPX 部は、[LA3450] の高級仕様です。

  6. AM 受信部は [LA1245] で全てを行っています。 2連バリキャップのフロントエンド構成でごく普通です。



調整

写真の FM/AM 標準信号発生器 Panasonic VP-8175A (以下 SSG)、 FM Stereo 信号発生器 MEGURO MSG-2170、 周波数カウンタ ADVANTEST TR5822 を使って調整します。 10年も経つとコイルやトリマはズレます。

  

  1. 調整ポイント



  2. FM 部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 T-117 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - BAND : FM
    auto seek : OFF
    IF band : wide
    rec cal : OFF
    - -  
    2 84MHz 変調 : OFF
    出力 : 65dBf
    84MHz 受信 L105 TP2-TP3 間電圧 = 0±20mV FM 同調点調整
    3 - - 89.9MHz 受信 FE 内
    L8
    TP1 電圧 = 22.7V (実測値) VT high
    極端なズレでなければ調整してくてよい
    4 - - 76.1MHz 受信 - TP1 電圧 = 3.4V (実測値) VT low
    確認だけ
    5 84MHz 変調 : OFF
    出力 : 36dBf
    84MHz 受信 FE 内
    L1
    L4
    L6
    T1
    R151 リア側電圧 = 最大 RF&IF 調整
    [R151 リア側]〜[LA1231N-13pin] と接続
    6 84MHz 変調 : 1kHz mono
    出力 : 36dBf
    84MHz 受信 VR404 オーディオ出力 = 700mV モノラル歪調整(1)
    VR201を反時計方向に廻し切ってから調整する
    7 VR204 オーディオ出力 = 歪最少 モノラル歪調整(2)
    VR204を反時計方向に廻し切ってから少しずつ戻し
    歪が2度目に小さくなる所で最小にする
    8 VR404 オーディオ出力 = 700mV モノラル歪調整(3)
    9 L206
    L205
    L101
    L208
    L209
    オーディオ出力 = 歪最少 モノラル歪調整(4)
    L206→L205→L101→L208→L209 の順で歪を最小
    にする
    10 84MHz 変調 : 1kHz stereo
    出力 : 36dBf
    84MHz 受信 L104 オーディオ出力 = 歪最少 ステレオ歪調整
    11 VR404 オーディオ出力 = 700mV+1.5dB パルスカウント検波レベル調整
    12 VR203 オーディオ出力 = 700mV+0.5dB PLL 検波レベルの一時的な調整
    VR201を時計方向に廻し切ってから調整する
    13 L202 オーディオ出力 = 歪最少 PLL 検波歪調整
    14 VR201 オーディオ出力 = 700mV+0.5dB
    → 700mV+1.5dB に切り換わる
    手前に調整
    PLL/パルスカウント検波切換レベル調整
    PLL/パルスカウントはオーディオ出力レベルで判別
    15 VR203 オーディオ出力 = 700mV+1.5dB PLL 検波レベル調整
    PLL 検波レベルの正式設定
    16 84MHz 変調 : 1kHz mono
    出力 : 19dBf
    84MHz 受信 VR102 Sメータ = 第1灯点灯 Sメータ調整
    VR103を反時計方向に廻し切ってから調整する
    17 IF band : narrow
    84MHz 受信
    VR101 Sメータ = 第1灯点灯 NARROW ゲイン調整
    18 84MHz 変調 : 1kHz L-only
    出力 : 60dBf
    IF band : wide
    84MHz 受信
    VR401
    VC401
    オーディオ出力 (R) = レベル最小 セパレーション調整 (L)
    19 変調 : 1kHz R-only
    出力 : 60dBf
    VR402
    VC402
    オーディオ出力 (L) = レベル最小 セパレーション調整 (R)

  3. AM 部の調整

    手順 SSG周波数 SSG出力 T-117 の設定 調整箇所 TP 及び調整値 備考
    1 - - BAND : AM
    auto seek : OFF
    rec cal : OFF
    - - AM ループアンテナを接続する。
    SSG 出力は別のループアンテナを介して注入する。
    2 - - 603kHz 受信 L306 TP1 電圧 = 2.2±0.1V VT low
    3 - - 1404kHz 受信 VC304 TP1 電圧 = 7.1±0.1V VT high
    4 - - - - 手順2〜3を数回繰り返す VT トラッキング調整
    5 603kHz 変調 : 400Hz 30%
    出力 : 60dBm
    603kHz 受信 L302 オーディオ出力 = 最大  
    6 1404kHz 1404kHz 受信 VC302 オーディオ出力 = 最大  
    7 手順5〜6を数回繰り返す RF トラッキング調整
    8 1008kHz 変調 : 400Hz 30%
    出力 : 55dBm
    auto seek : ON
    1008kHz 受信
    VR302 ミュート解除手前に調整 ミューティングレベル調整
    VR302を反時計方向に廻し切ってから調整する。
    9 auto seek : ON
    1008kHz 受信
    VR301
    VR501
    Sメータ = 第1〜2灯点灯 Sメータ調整

  4. TV 部の調整

  5. 調整結果



使ってみました

  1. デザイン

  2. プリセットメモリ

  3. プログラム機能

  4. 2つの FM 検波方式

  5. その他

  6. 評価



仕様&その他

  1. ドキュメント

  2. 発売時情報

  3. 仕様