SONY ZS-S40 (2号機)
SONY ZS-S40 (2号機) をゲット!
取扱説明書なしでも使える高音質ベーシックモデル ・・・ ワイド FM 対応
2017年4月18日、
ヤフオク
で落札した CD ラジオの
SONY ZS-S40
の2号機が到着しました。 今度はホワイト筐体です。 発売は2015年2月21日で、現行品です。 オープン価格ですが、発売時の実売価格は7,500円でした。
落札額は
税込550円
で、送料が590円でした。
落札額より送料のほうが高い ・・・
安いのには理由があります。 要するに故障品
・・・ ハイハイわかりました!
注目したのは外観が綺麗そうなこと ・・・ 外観の補修は難しいですが、内部の修理なら何てことないです。
修理する楽しみ
を買いました。
私にとってはホームラジオで、CD はど〜でもイイ。 CD 付きの割にはコンパクトでホームラジオとしてピッタリです。
外観&動作チェック
出品者からの商品説明 ・・・ かなり完璧で適切なコメント
使用感は特にありません
が、コードを接続して、電源の起動が確認できなかった為、ジャンク品と致します。
それ以上の動作確認は行っていない為、その他にも不具合があるかもしれませんが、その点をご了承いただける方のみ、ご購入ご検討ください。
付属品は画像にあるものがすべてとなります。
保証はいたしません。 外箱は輸送の際の傷・擦れがあります。
ジャンク品ですので、クレーム、返品などの受け付けはできませんので、ご了承ください。
到着時のデフォールト状態でチェック
二重梱包で到着しました。 おかげで輸送中の更なる劣化が避けられたと思います。
本体の製造マーキングを見ると
2016年製
で、すごく新しいです。
(2017年4月時点)
付属品は [電源コード] [取扱説明書 (保証書付き)] [安全のために (書類)] と完璧に揃っていました。
化粧箱にやや破れはありますがオリジナル箱が付いてきました。
気になる外観ですが、
全くの新品とも言える超綺麗な逸品
です。
どこにもキズやスレがありません。 期待通りです。
私が思うに、開封済みですが未使用品と思います。 おそらく、初期不良で返品された製品でしょう。
この製品は [電源コード] をつないで AC100V 駆動できます。 やってみましたが電源 ON となりませんでした
・・・ 出品者の申告通り
修理する楽しみ
を奪われるとガッカリするもんね。 ある意味良かった。
お楽しみの修理
まずは故障状況の把握
[電源コード] をつないで AC100V 駆動 ・・・ 本体電源 ON しないのは既に確認済み
この製品は単2電池×6本 (DC9V) 駆動も可能です。 電池の代わりに DC9V 電源をつなぐと ・・・
本体電源 ON できました、ホッ!
CD と FM/AM ラジオは問題なく動作しました。
ラジオの [プリセット] [おやすみタイマ] 機能は正常でした。
以上より、内蔵電源そのものか、電池との電源切換回路に問題があると推測できす。
これ以上は分解して内部を更に調査するしかありません。
分解してみる
この筐体は上下に分離できる構造です。 上下を結合しているネジを外します。
ネジは何種類かあるので、元に戻せるよう、どの位置がどのネジか記録が必要です。
[⇒] マーキングされたネジが該当します。 ロッドアンテナの根元を背面からとめているネジは外す必要がありません。
下の写真の
○
で囲んだネジを外していきます。
【写真左】 CD のトビラを開けて見えるネジ×1本を外します。 かなり深い位置にあるので、長いドライバが必要です。
【写真中】 キャリングハンドルを持ち上げて見えるネジ×5本を外します。
【写真右】 底面に見えるネジ×5本を外します。
ネジを外し終わったら筐体を上下に分離できます。
上下を軽く結合するツメがあるので、注意してこのツメのロックを解除します。
写真は下側部分です。
写真をクリックすると大きな画像が表示できます。
左側に AM バーアンテナがあります。
長さは 60mm だったので AM 受信感度はそれなりです。
中央にあるのはメイン基板です。
[CD の読取・制御] [FM/AM ラジオ] [オーディオアンプ] など、全ての機能はこの基板で行います。
IFT などの同調部品が見当たりません。 なんと!
DSP ラジオ
でした。
DSP ラジオは放送帯の電波を丸ごと A/D 変換し、このデータから全てデジタル数値処理で放送局を選択します。
従って、同調回路を構成するコイルやコンデンサが不要なので、経年変化しないメリットがあります。
こういったことより、基本的に無調整なのでコストも低減できます。
DSP tuner チップに LAPIS Q504012 が使用されています。
LAPIS
は、2008年10月1日に沖電気工業から分社して
ROHM
グループに入り、更に、2011年10月1日に LAPIS に社名変更した会社です。 ですから、この DSP tuner チップは
Made in Japan
です。
以下の IC を使用して合理化が図られています。
メーカ
型番
サマリ
備考
ROHM
BA5826FP
Power driver IC for CD player
CD ドライブのサーボアンプ
BM94710
Audio SoC (MCU)
CD, ラジオなど全ての制御をする
LAPIS
Q504012
FM/AM DSP Tuner
DSP ラジオ IC
(不明)
(不明)
Audio Power Amplifier
ヒートシンクが張り付いていて型番見えず
右側にあるトランスが載った基板は電源基板です。
この基板に不具合があります。 AC100V を供給しても DC 出力が出ません。
写真は上側部分です。
写真をクリックすると大きな画像が表示できます。
[スピーカ]×2個 [LCD & ボタン基板] [CD トランスポート] が載っています。
[スピーカ] のマグネットの大きさは普通ですが、マトモそうです。
こちらのパーツは全てメイン基板から制御されます。
従って、筐体上下を電気的につなぐケーブルが5本あります。
[LCD & ボタン基板] のフィルムケーブルは短いので、上下を結合する際はコネクタに入れ辛いです。
修理に挑戦
これが不具合のある電源基板です。
トランスの1次側に AC100V を印加しても2次側に AC 電圧が出ません。
更に調べると1次側コイルの断線と判りました。
「トランス不良→交換」としたいのですが、専用トランスなので入手し辛いです。
SONY サービスステーションへ行けば補修部品として購入できると思いますが、たぶん高価と思います。
トランスを何とか直せないかと思い、トランス修理に挑戦してみます。
これが故障しているトランスです。
電源基板からハンダを除去して取り出しました。
写真でトランスの左側端子は1次側コイル、右側端子は2次側コイルです。
1次側コイルの端子をルーペで眺めてみました。
1次側コイルの端子の上から2番目で、コイルからの線が端子直前で断線していました。
ちょっと見え辛いかもしれませんが、断線しているのは太い線の下にある細い線です。
細い線は巻線です。 太い線は温度ヒューズにつながっているのでは?と推測します。
通常、トランスコイルの断線と言っても巻線内部で断線することは稀で、このように端子部分での断線が多いです。
断線したそもそもの原因は、トランス製造工程で端子にからげるテンションが強すぎたのです。
(振動などの)端子の加圧変位に余裕がないので、何かのショックでブチッと切れたのでしょう。 製造不良です。
この断線を修理すれば直るかも!!!
・・・ 希望の光が差し込みました。
トランスの断線を修理してみました。
切れた線間に補助線をハンダ付けして直す方法が考えられますが、補助線とはハンダのチョン付けになるので信頼性がイマイチでしょう。
やり方次第ですが ・・・
コイル側の切れた線〜端子 へのルートを変更すると、線を端子にからげられそうで信頼性も保てそうなので、この方法にしました。
コイル側の切れた線を端子の下側にからげてハンダ付け →
直りました!!!
端子に線の切れ端が見えますが、これは上の写真の端子側残材です。 問題ありません。
これまでの分解手順の反対を辿って組み立てました。
見事!修理完了 ・・・ ある意味ラッキー
修理の醍醐味をじっくり堪能できて余は満足じゃ!
修理後の動作チェックを兼ねて使ってみました
詳細解説と仕様などは
SONY ZS-S40 (1号機)
を参照ください。
この愛らしいデザインに好かれるのです。
AC100V 駆動できるので、ホームラジオとしての資格十分です。
そもそもリモコン機能が無いので、リモコンを紛失する心配もなく、安心して使えます。
DSP ラジオ
なので、将来に渡って経年変化がなく、安心して使えます。
動作チェック
[CD プレーヤ] [FM/AM ラジオ] [プリセット] [おやすみタイマ] など、機能は全て正常でした。
低域に迫力がないものの、音に割れやビビリがなく、明瞭に聞こえます。
修理は完璧でした ・・・
5百円で買ったジャンク品が5千円くらいの価値に昇格しました!!!
評価
本格的な DSP ホームラジオを安く入手できてラッキー。 オマケで CD も聴けます。
これで
こしがやエフエム
が常時良い音で聴こえています。