YES YIC-303 をゲット!
2014年1月21日、
アキバパレットタウン
で YES YIC-303 が
税込105円
でした。
そもそもは2,000円以上で販売されていたはずです。
パソコンの USB ポートや普通の USB 充電器を iPAD/iPAD2 対応の急速充電器に変身させてくれるという優れものです。
メーカでは
USB TURBO Adapter
と言っています。
大方の皆さんはこのアダプタの価値を知らないらしく、見向きもしません。
偉大なアダプタなのに105円という捨値価格で売られています。
無知ということは悲しいことです。
使ってみました
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使い方は簡単
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YIC-303 を iPAD やスマートホンとパソコンの間に入れます。
具体的にはパソコンの USB ポートに YIC-303 を差し込み、YIC-303 のもう1つのコネクタに USB ケーブルで iPAD 等に接続します。
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YIC-303 にあるプッシュスイッチを押すと動作モードが変わります。
LED ライトが [緑色] で [データ伝送] モード、[赤色] で [充電] モードです。
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[データ伝送] モードとは、パソコンと iPAD 等で通信を行うモードです。
iPAD 等がスリープであれば充電も行われますが、小電流充電なので時間がかかります。
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[充電] モードとは、急速充電モードです。
iPAD 等への充電は大電流で行うので短時間で済みます。
急速充電では、USB 充電器に大電流(iPAD で 2.1A 程度、スマートホンなら 1A 程度)が流せるものが必要です。
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実際に使ってみて
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電源供給元はパソコンでなくてもよいです。
AC100V コンセントに差し込む普通の USB 充電器でも構いません。
充電する場合は、むしろ、こちらが普通でしょう。
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USB 充電器に YIC-303 を差し込み、AC100V コンセントに差し込むとデフォールトが [充電] モードとなるようです。
YIC-303 の LED が赤色に点灯します。
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[充電] モードでスマートホンを充電すると40分程度で完了します。
急速充電の威力を実感しました。
急速充電するためには
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iPAD やスマートホンを普通の USB 充電器につないだだけでは急速充電できません。
なぜでしょう?
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実は、USB 充電器が急速充電モードになるのではなく、iPAD やスマートホンが急速充電モードになるのです。
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iPAD やスマートホンは特殊な判断をして、「パソコンにつながっている(通信)」か、「充電器につながっている(充電)」かを認識します。
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iPAD やスマートホンが「充電器につながっている」と認識した時だけ、自身が急速充電モードになります。
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大電流が流せる USB 充電器を使ったとしても、iPAD やスマートホンが「充電器につながっている」と認識できなければ、急速充電されません。
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まずは USB の知識 ・・・ USB コネクタの Pin 配置と形状は以下の通りです。
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標準 USB コネクタの Pin 配置
Pin |
Function (ホスト側) |
Function (機器側) |
1 |
VBUS (+5V) |
VBUS (+5V) |
2 |
D- |
D- |
3 |
D+ |
D+ |
4 |
GND |
GND |
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mini/micro USB コネクタの Pin 配置
Pin |
Function (ホスト側) |
Function (機器側) |
1 |
VBUS (+5V) |
VBUS (+5V) |
2 |
D- |
D- |
3 |
D+ |
D+ |
4 |
ID |
ID |
5 |
GND |
GND |
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iPAD やスマートホンは USB ケーブルが「パソコンに接続されているか」「充電器に接続されているか」を判別しています。
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iPAD やスマートホンから見て、[D-] と [D+] が短絡されていなければ「パソコンに接続されている」と判断します。
すなわち、通信モードになります。
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iPAD やスマートホンから見て、[D-] と [D+] が短絡されていれば「充電器に接続されている」と判断します。
すなわち、急速充電モードになります。
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上記の [D+] [D-] 状態判断アルゴリズムは以下です。
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iPAD やスマートホンが [D+] 端子を駆動して High レベルにします。
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iPAD やスマートホンが [D-] 端子の状態を読み取ります。
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[D-] 端子が Low レベルであると「パソコンに接続されている」と判断します。
[D-] 端子が High レベルであると「充電器に接続されている」と判断します。
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すなわち、
YIC-303 は [D-] [D+] 状態を変えるアダプタ
なのです。
YIC-303 の中身
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右の写真は YIC-303 を分解して入っている基板の表面と裏面です。
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IC が2個も使われているのに驚きます。
105円にしては贅沢過ぎる ・・・
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大きい IC はカスタム IC と思います。
小さい IC は汎用 IC です。
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大きい IC の背中が削られているので、型番が判りません。
きっと、企業秘密なのでしょう。
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右は私が独自に調べた YIC-303 の回路図です。
回路図をクリックすると大きな pdf で表示できます。
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基板パターンから回路図化したので、間違いを含む可能性大です。
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信じないでください。
あくまで参考です。
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回路図より、U2 (大きい IC) の中身はアナログスイッチ (FET で信号を ON/OFF) の集合体と思われます。
ひょっとしたら、カスタムではなくて標準品として存在する IC かもしれません。
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回路図を見ると難しそうですが ・・・
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論理的には右のことをやっているだけです。
単純です。
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スイッチを [A] に倒すと [データ伝送] モード、[B] 側に倒すと [充電] モードです。
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この論理回路図のまま製作しても、ちゃんと動作するはずです。
必要な部品は 6P トグルかスライドスイッチ、コネクタだけです。
それと製作への情熱。
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果たして、カスタム IC を使う必要があったのだろうか???
ドキュメント
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取扱説明書 ・・・ 化粧箱の裏面をスキャンしたものです