多路通 TC-208

多路通 TC-208

中国製PBX 多路通 TC-208 をゲット！

そろそろ我が家も PBX（電子電話交換機）が欲しいなぁ～！と思っていました。ところが日本製 PBX は安いものでも20万円はします。とても手が出ない・・・

そこで、2005年2月8日、この写真の中国製PBX 多路通 TC-208 を入手しました。値段はあまりにも安いので（日本の PBX 業界がパニックになる。）内緒です。ヒントとして、日本製PBX と零が2桁くらい違うような・・・

写真のようにコネクタは全て RJ11 で、それも2ピンだけ使用と、取り扱いやすいです。大きさは A4 より小さく、パーソナル用途でも十分使えます。

電源入力が AC220V となっているのがちょっと残念です。消費電力は 12W なので僅かです。

ACステップアップトランスを入手しました

2005年2月10日、アキバの春日無線変圧器で、東京興電 JP-20K というステップアップトランスを税込3,654円で買いました。

AC100V→230Vに変換します。容量は20Wと小さく旅行者用のトランスです。大きさと重さはゲーム機用 ACアダプタくらいです。（W51×H42×D85mm, 重量：300g）

早速、TC-208 の電源として接続し、問題なく使えました。

JATE について

TC-208 は中国製の機器なので、中国の規格には合格していますが、日本の JATE（財団法人・電気通信端末機器審査協会）では審査されていません。よって、規則上は日本の電話コンセントにつなぐには問題があります。
私は VoIP 電話の PBX として使い、壁コンの電話コンセントにつなぐ訳ではないので、JATE の規制は関係ないです。コンピュータ機器またはネットワーク機器の扱いになります。

TC-208 に接続する外線の試験をしました

NTT VoIP アダプタを外線として使う・・・問題なし。
Yamaha RTA-54i を外線として使う・・・問題なし。
NTT回線を外線として使う・・・問題なし。（JATE の問題があるので、短時間でチェックしてから取り外しました。）

以上の通りなので、通常の回線であれば全く問題はないと思われます。

TC-208 コマンド表

マニュアルが全部中国語漢字で、よく判らないです。 PBX というのは機能が多いので、使いこなすにはマニュアル読破が必須です。添付されていた紙のマニュアルだと翻訳ソフトの当てようがないので、電子マニュアルがないか電網中を探しました。

ありました！
http://www.1st-safety.com/download-dlt.htm
http://www.sz898.com/software/TC208.doc
http://telconnector.hypermart.net/TC208NO2.doc

中国語→日本語翻訳には excite 翻訳を使って表にまとめました。訳が合っているかどうかは保証できませんが、そんなにも間違っていないと思っています。中国語堪能な方、ぜひ、コメントお願いします。

機　　　　能	コ　マ　ン　ド
内線発信	*8n
外線発信	直接ダイヤルする
外線との電話を別電話機に転送する	外線接続中に #*8n
手動で外線番号を選ぶ	91 または 92 　(91は外線1、92は外線2)
外線番号での会話をモニターする (内線81の電話機だけが可能)	91 または 92 　(91は外線1、92は外線2)
通常モードにする (留守応答モードの解除)	*#2000
留守応答モードにする	*#2100
応答メッセージ録音 (10秒)	*#2200
応答メッセージの確認	*#2300
オーディオのチェック (保留音が聞こえる)	*#2400
外線から特定電話機に着信しない (外線発信と内線発着信は可能)	*#3n10
(上記の解除)	*#3n00
特定電話機からの外線発信を禁止する	*#4n10
(上記の解除)	*#4n00
特定電話機からの外線発信を電話番号で禁止する　(最初のX～XXが合致すると発信禁止とする)	#5nX# #5nXX
(上記の解除)	*#5n00
全電話機からの外線発信を電話番号で禁止する　(最初のX～XXXXが合致すると発信禁止とする) 　(30個設定可能)	#5X### #5XX## #5XXX# #5XXXX
(上記の解除)	*#5900
特定電話機の長電話へのアラーム　(設定した時間以上通話しているとアラーム音が通話に混ざる)	*#6nXX 　(XXは01～99、分単位)
(上記の解除)	*#6n00
特定電話機からダイヤルする場合に省略可能な先頭からの番号を設定する　(XX～XXXXはダイヤル時に自動で付加される)	#7nXX## #7nXXX# *#7nXXXX
設定状態をパスワード番号でロック	*#8XXXXX 　(XXXXXはパスワード番号)
(上記の解除)	*#9XXXXX 　(XXXXXはパスワード番号)
工場出荷設定に戻す	*#1000

上記の上から4つ以外は内線81の電話機からのみ実行できる。
n=1～8 で、n=1：内線81・・・n=8：内線88 に対応する。

TC-208 を使ってみました

TC-208 は、アナログ外線2本、アナログ内線8本の仕様です。
日本の PBX では電話機に専用タイプが必要になることが多いですが、TC-208 では ごく普通の電話機が使えます。
日本の PBX ではコネクタが特殊で、規格に合うものを探すのに一苦労しますが、TC-208 では ごく一般の RJ11 コネクタです。
デジタル留守応答メッセージ機能が付いています。 応答メッセージはデジタル録音となっており、TC-208 が記憶します。
使用できる電話機はプッシュホンタイプだけです。外線もプッシュホン回線の必要があります。
内線番号は81～88となります。 内線通話するには「*85」のように、最初に「*」を付けて内線番号をダイヤルします。内線通話できるので、例えば FAX をプリンタやスキャナー代わりに使うことができます。モデムの通信チェックも電話会社に通話料を払うことなく実施することができます。 TC-208 をアナログ電話回線試験機のように使うことができます。たくさん持っている電話機を無料で試験することができる・・・私的にとっても嬉しいです！！！
外線番号はイメージ的に91～92となります。 内線番号に接続した電話機の受話器を上げると、まず91に接続しようとします。 91が使用中だったら92に接続しようとします。 92も使用中だったら内線モードになります。内線モードでは「ツー」音が少し音程が高いのと音が大きいので、使用者は外線発信できるかどうか判別できます。外線を掴むことができたら、電話番号は普通にダイヤルすればよいです。
接続する外線番号を明示的に選択するには「*92」のように「*」を付けて外線番号をダイヤルします。
TC-208 の動作を観察していると、受話器を取り上げたタイミングで自動的に空いている外線を掴みに行きます。電話機の「*」を押すと、この掴んだ外線を解放して内線モードになるようです。
コマンドによる TC-208 設定は内線81につないだ電話機からのみ可能です。便利なコマンドや規制をするコマンドなどいといろありますが、基本的には工場出荷時設定で十分使えます。（パーソナルなファミリー用途なのでお金に絡む揉め事はありませんので。）この TC-208 で20名までの事務所で十分使えると思います。この場合は規制やセキュリティ設定は必要と思います。
TC-208 は基本的には SOHO 事務所用途または大家族向けです。 2所帯住宅にもピッタリと思います。消費電力が12Wと非常に少なくメタルフレームケースなので屋根裏などの無人環境に設置しても火災の心配はありません。
TC-208 は A4 サイズより少し小さいですから、パーソナル用途でも問題なく設置できると思います。しかも日本製PBX のように設置するのに専用工具や専用コネクタや専用電話機も必要ありません。

こういう格安の中国製PBX がちゃんと JATE を取得し始めたら、日本の小型PBX の分野は中国製に完全に駆逐されてしまうと思います。日本メーカーも頑張らなくっちゃね・・・。

FAX機への対応

FAX機を TC-208 に接続することを考えました。 FAX機は内線81に接続して、TC-208 設定のマスター機も兼ねることにします。

我が家の場合、（大抵の皆様のおうちと同じように）FAX専用電話番号を持っていません。すると、通常に電話機の受話器を上げてから、FAX だと気付く訳です。
この場合、受話器をとって「ポーポー」と鳴っていれば FAX に電話を転送すればよいです。
ただ転送しただけでは、大急ぎで FAX機まで走って行って「スタート」ボタンを押す必要があります。これは面倒ですね・・・。
FAX機の設定を「FAX専用」「無鳴動着信（着信ベル回数を0とする）」にしました。
こうすると、今度は一般の FAX でない電話にも FAX機が自動受信してしまう。
コマンド「*#3110」を実行して、内線81のFAX機では、「外線からの着信をしない」設定をしました。
以上で、内線81以外で受けた FAX受信は内線転送「#*81」をダイヤルすることで、内線81の FAX機に転送できるようになりました。

TC-208 はナンバーディスプレイに対応できない

テストしていて TC-208 の問題点が見つかりましたので報告します。

TC-208 の呼出音シーケンスは 1秒ON → 4秒OFF の繰り返しです。
ところがナンバーディスプレイ機能での電話番号情報受信には 1秒以上かかるのです。よって、TC-208 に接続したナンバーディスプレイ機能付き電話機で電話番号情報受信ができないのです。
これは NTT VoIPアダプタを TC-208 に接続してテストしていて気が付きました。 VoIPアダプタを「ナンバーディスプレイ：あり」、電話機を「ナンバーディスプレイ機能：使う」を設定している時に問題が発生します。呼出音が鳴って受話器を取ると「ジュルジュル」というモデムのデータ通信中のような音がして、これが TC-208 の呼出音の間隔で永遠に繰り返します。結果として、電話受信できないのです。
対策としては電話機の設定を「ナンバーディスプレイ機能：使わない」に設定すれば電話受信できるようになります。 VoIPアダプタの設定も「ナンバーディスプレイ：なし」に設定すれば完璧です。当然、ナンバーディスプレイ機能は使えなくなります。
考えてみれば、元々中国で使うことを前提に設計されているので、日本のナンバーディスプレイのことなんか考慮されているはずがありません。当然と言えば当然ですね。
我が家は NTT回線にはナンバーディスプレイ契約はしていないので全然問題ではありません。 VoIPアダプタでナンバーディスプレイできていたのが、できなくなっただけです。私的にはあまり問題ではありません。私を真似て TC-208 を入手する場合は、本問題を十分理解してご購入ください。 NTT や Voip プロバイダに文句を言っても対応してもらえません！！！

TC-208 は日本製の留守番電話機に対応できない場合がある

この現象の原因はナンバーディスプレイの問題と同じです。

TC-208 の呼出音シーケンスは 1秒ON → 4秒OFF の繰り返しです。
留守番電話を「呼出音10回で留守番機能を働かす」のように設定していると、絶対に留守番応答機能が働きません。
呼出音シーケンスの「4秒OFF」で留守番電話が一旦呼出が切れたと思ってしまうのです。そして次の「1秒ON」でまた呼出を検出するのですが、次の「4秒OFF」でまた呼出が切れたと思ってしまうのです。永遠に留守番電話機能が働くことはありません。
対策としては留守電話機の設定を「呼出音1回で留守番機能を働かす」に設定すれば留守番電話機能が働きます。