TECSUN PL-310 をゲット!
DSP ラジオ
というのが最大の特長です。
2010年1月30日、中国製の TECSUN PL-310 を入手しました。
2010年9月9日、中国・重慶の商社電器にてシルバーカラーをもう1台、258元で買いました。
(当日のホテルでの換金レートは 10,000円=778.29元 でしたから、日本円に換算すると3,315円です。)
DSP ラジオというのは、電波の選局・検波・ステレオ復調の全てを DSP プロセッサを使ってデジタル処理してしまうという、今までのラジオと全く違う回路方式です。
DSP ラジオには今まで安っぽい機能しかないものが多かったのですが、この PL-310 は本格的な BCL ラジオの作りとなっています。
私にとっては未知の
DSP ラジオを使ってみたいが本音
です。
参考です。
「オールバンド・デジタル・ステレオ・ラジオ」の中国語は「全波段数字解調立体声收音机」です。
PL-310 はこの分類です。
PL-310 のブロック図
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右図は PL-310 のブロック図です。
網掛けの部分は
SILICON LABS Si4734
で、これが DSP ラジオの主要部分で、ほとんどの機能を構成します。
小指の爪くらいのごく小さいチップです。(3.31×3.31mm)
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Si4734 で電波の選局・増幅・検波・ステレオ復調の全てを DSP デジタル処理します。
従って、受けた電波を一旦 ADC でデジタルデータに変換し、これを DSP 処理してから DAC でアナログに戻します。
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Si4734 で電波の選局・検波・ステレオ復調の全てをデジタル処理します。
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同調コイルとしては MW/LW のバーアンテナがあるだけで、これ以外にはありません。
従って経年変化による性能劣化は考えられないです。
画期的
です。
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現在のところ、日本には DSP ラジオはありません。
中国のほうがラジオに関しては日本より技術的に進んでいます。
DSP ラジオを使いたければ中国製の全世界対応版を買うしかないです。
日本では既にラジオ受信を楽しむというのは廃れており、メーカが製造しないだけだと思いますが・・・
PL-310 の内部を透視
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右の写真が PL-310 の内部です
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電池ボックスの上にある基板がラジオ基板です。
DSP ラジオは同調コイルがないので、このような本当に小さい基板で済みます。
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音量ボリュームの下側に見える基板は MCU & LCD 基板です。
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一番上に見えるのが MW/LW 用バーアンテナです。
これが PL-310 で使っている唯一のコイルです。
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調整ポイントが無いように見えます。
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以上の構成なので、製造&組立(調整)コストは安いと思われます。
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ここ
に TECSUN での製造風景の写真があります。
手先の器用そうな女性達が一生懸命作っています。
使ってみました
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PL-310 は本格的な BCL ラジオの作りとなっています。
製造品質や感触も日本製と変わらず、満足できます。
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付属品は「ステレオヘッドフォン」「ソフトケース」「中国語の取扱説明書」「保証書」です。
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実用的に使うには、更に「1100〜1300mAH 程度の単3ニッケル水素充電池×3本」「USB ケーブル」「USB AC アダプタ」が必要です。
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これらは入手も簡単です。
私は全て手持ちがありました。
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SONY ICF-M260
と同じくらいの大きさのコンパクトサイズです。
タバコ2個くらいで小さいです。
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厚めのソフトケースが付属しているので、出張や旅行に気軽に持って行けます。
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背面にスタンドが収納されており、このスタンドを使うと、PL-310 が少し水平斜めに設置でき、操作しやすくなります。
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ロッドアンテナは360度回転させることができます。
FM/SW バンドに有効です。
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左サイドに [外部アンテナ端子] [ステレオヘッドホン端子] [USB 端子] があります。
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[外部アンテナ端子] は FM/SW バンドに有効で、MW/LW は内臓されたバーアンテナで受信します。
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PL-310 にはスピーカが1個しかなく、本体でだけで受信すると基本的にモノラルです。
FM 受信の時に [ステレオヘッドホン端子] を使うとステレオ受信できます。
FM ステレオセパレーションは仕様から 35dB らしいです。
この数字はラジオとしては頑張っていると思います。
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[USB 端子] は基本的に電源端子とイコールです。
データの送受信などはできません。
USB AC アダプタやパソコンとつなげば本体に電源が供給できます。
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[USB 端子] に電源供給することにより、内蔵したニッケル水素充電池に充電することもできます。
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DSP 同調です。
アナログチューニングより楽で、周波数ズレもありません。
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同調方式は [マニュアル] [プリセット] [ダイレクト周波数入力] [オートスキャン] です。
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[SCAN MODE] ボタンを短押して LCD 部に [PRESET] を表示させると [プリセット] モードになります。
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[SCAN MODE] ボタンを長押して LCD 部に [⇒⇒] を表示させると [オートスキャン] モードになります。
[オートスキャン] を止めるには [M] ボタン以外を押します。
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FM 受信周波数範囲は、電源 OFF の時に [FM SET] ボタンを押すことで、以下のように切り換えできます。
FM 受信周波数範囲 |
対応国 |
87〜108MHz |
中国 |
64〜108MHz |
ロシア |
76〜108MHz |
日本 |
87.5〜108MHz |
アメリカ、ヨーロッパ |
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AM 受信の周波数ステップは、電源 OFF の時に [9/10kHz] ボタンを押すことで、9/10kHz のいずれかに切り換えできます。
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同調ノブを [ゆっくり回す]/[素早く回す] で、チューニングステップが以下のように変わります。
バンド |
ゆっくり回す |
素早く回す |
FM |
0.01MHz |
0.1MHz |
MW |
1kHz |
9/10kHz |
LW |
1kHz |
9kHz |
SW |
1kHz |
5kHz |
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プリセットメモリは500局分あるので十分です
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FM 100局+MW 100局+LW 100局+SW 200局=合計500局分です。
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[ATS] という機能があり、自動で受信可能周波数をスキャンしてプリセットしてくれます。
もちろん、マニュアルでプリセットすることも可能です。
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DSP ラジオならではの AM Band Width という素晴らしい機能があります
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AM (MW/LW/SW) 受信中に [AM BW] ボタンを押すことで 6/4/3/2/1kHz のいずれかに切り換えできます。
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アナログフィルタではないので、例えば 1kHz に設定しても音の破綻がないです。
十分なクリアさで聞けます。
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この辺り、DSP ラジオは素晴らしいです。
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慣れれば操作性は良いと思えるようになりますが、ボタンの短押し/長押しなど、少ないボタンで多くの機能を詰め込んでいるので、最初は戸惑います。
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右サイドにある音量ボリュームはアナログボリュームではなく、デジタルボリュームです。
音量は LCD に数字で表示されます。
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シグナルレベルは2桁のデジタル dBu 表示です。
S/N も2桁のデジタル dB 表示です。
S/N が表示できるラジオは初めてです。
シグナルレベルも S/N も常時リアルタイム表示
できます。
DSP 方式の特長でしょう。
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「時計」「アラーム」「デジタル温度計」が付いています。
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暗い所での利用ができるようイルミネーション機能があります。
LCD 表示が橙色に照明されます。
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バッテリは「単3乾電池×3本」または「単3ニッケル水素充電池×3本」が使用できます。
充電回路も内蔵しています。
1300mA ニッケル水素充電池に満充電して連続8時間くらい使えました。
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感度&音質
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DSP 方式のため S/N はかなり良いです。
感度はこの S/N の良さから高く感じます。
実際には感度はマアマアのレベルかもしれませんが、S/N が良いので弱電波でもクリアに聞けてしまうのです。
不思議な体験です。
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音質はクリアという表現がピッタリです。
低音はあまり出ていないので余計にクリアに聞こえます。
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BCL ラジオに要求される選択度と明瞭度というこの矛盾した項目は DSP 方式により見事に達成されています。
AM 受信選択度を 1kHz という超ナローにしても明瞭度は確保されています。
DSP 処理により選択度帯域外をスパッと切り取れるのでしょう。
アナログ受信機では、なかなかこうは行きません、帯域内の位相ズレもおこります。
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音が非常にクリアなので満足感が高い!
です。
仕様&その他
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PL-310 の発売日は2009年9月26日です。
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英語版の取扱説明書は
こちら
です。
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仕様は以下です。