Panasonic RF-U350 (3号機/4号機)

Panasonic RF-U350 (3号機/4号機)

Panasonic RF-U350 (3号機/4号機) をゲット！

2022年10月21日、ヤフオクで Panasonic RF-U350 のジャンク×2台セットを1,000円で落札しました。送料が1,300円もかかりました。

故障していても2台あれば1台の動作品ができるだろう・・・という目論見です。

[3号機] と [4号機]

出品者のコメント
- 液漏れ跡あり、動作、詳細は確認しておりません。中古現状品となります。
2台を以下のように呼称
- 1台の製造シリアル番号は [LW4GB01215R] で、これを [3号機] と呼ぶことにします。一番最初の写真の左側
- もう1台の製造シリアル番号は [LR8EA01126R] で、これを [4号機] と呼ぶことにします。一番最初の写真の右側
出品者のコメントよりは動作するのか不明
- [おみくじ] を引く思いで落札したのです。さてさて・・・

[3号機] 程度＆動作チェック

外観
- 致命的なワレやカケはありませんが [音量] ノブが欠品 です。
- ロッドアンテナの曲がりや損傷はありません。
- ディスプレイの透明プラスチックに僅かな線スレがあります。
- トップパネルは綺麗です。
- 右側面に2箇所、ポツンとしたやや気になる当てキズがあります。
- リアパネルやハンドルは問題ないです。
- 電池ボックスには液漏れ跡がなく綺麗です。
電源 ON してチェック
- 電源は正常に入り、LCD は文字欠けがなく正常に表示できます。
- 各ボタンの動作は正常で、[音量] [選局] ノブの動作も正常です。
- FM/AM とも問題なく良好に受信できました。自動地域設定も正常にできました。
- 動作については何の問題もなく正常です。 当たり！

[4号機] 程度＆動作チェック

外観
- 致命的なワレやカケはありません。
- ロッドアンテナの曲がりや損傷はありません。
- ディスプレイの透明プラスチックに少し線スレがあります。
- トップパネルに線スレがありますが、目立っている訳ではありません。
- リアパネルやハンドルは問題ないです。
- 電池ボックスにかなり 液漏れ跡 があります。
電源 ON してチェック
- 電源は正常に入り、LCD は文字欠けがなく正常に表示できます。
- [音量] [選局] ノブの動作は正常ですが、各ボタン操作で誤動作する時があります。
- FM/AM とも問題なく良好に受信できました。自動地域設定も正常にできました。

リペア： 2個1 → [3号機] 構築

[2個1] とは
- 2台の同じ機器間で、部品の良いほうを組み合せて1台の良品を構築することです。

[3号機] と [4号機] はどちらも動作品とわかりました。

ある意味、予想外でした。両方とも故障してると思っていました。

こうなると、[2個1] の対象部品は外装パーツということになります。下の表は各部分の程度の評価結果です。

大分類	小分類	3号機	4号機	備考
フロントカバー	トップ面	〇	△	4号機には気になる線キズあり
	サイド面	△	〇	3号機には右サイドに2箇所気になるポツンキズあり
	ディスプレイ面	〇	△	4号機にはスレあり
	スピーカパンチングメタル	〇	〇	どちらも良好
リアカバー	カバー全体	〇	〇	どちらも良好
リアカバー	電池ボックス	〇	×	4号機には液漏れ跡あり
各種パーツ	音量ノブ	×	〇	3号機は欠品
	選局ノブ	〇	〇	どちらも良好
	各種ボタン	〇	〇	どちらも良好
	ロッドアンテナ	〇	〇	どちらも良好

上記の評価結果より、[4号機] の [音量ノブ] を [3号機] に移植するのが一番簡単と結論し、実行しました。
- 残る問題は [右側面に2箇所あるポツンキズ] だけです。
  - 正面から眺めてそう目立つ訳ではないので、プチ補修ヌリだけをすることにしました。
- 補修ヌリにはダイソーで売られている [GENE ネイルシルバーカラー] を使いました。右の写真のものです。
  - 税込110円もかかりましたが、自動車用のタッチアップペンより、はるかに安いです。
  - 本来はマニュキュアなので、蓋に刷毛が付いており、しっかり塗装できます。
完成した [3号機]
- 完全無欠の RF-U350 となりました！

リペア： [4号機]

電池ボックスに結構液漏れ跡がある
- ケースを開けて、液漏れ状態をチェック
  - 右の写真の [赤〇] のネジを外すと、ケースが前後に分離できます。
  - 液漏れは電池ボックス内のみで内部に回り込んでいないことが確認できました。実はこれが一番心配だったのです。
  - 電池ボックスは一番下にあり他の基板からも離れている構造なので、液漏れ被害は限定的で済むことが多いです。
- 電池ボックスの補修
  1. 液漏れ被害に遭遇した [端子基板] [端子金具] を取り外し、中性洗剤を使って水洗いしてドライヤで乾燥。
  2. 爪楊枝と小型ドライバを使って大きな腐食ゴミを除去。
  3. ピカールで端子をマイクロ研磨、無水アルコールで基板を洗浄。
  4. ＋端の端子 (写真では一番左に見える端子) は [錫メッキ線]×2本だったので、[錫メッキ線] を張替え。
  5. 取り外した [端子基板] [端子金具] を組み込んで完了。
- 電池ボックス補修の [Before] [After] 写真
  - 左の写真が [Before] で、右の写真が [After] です。液漏れは無かったかのように回復しました。
  　
各ボタン操作で誤動作する時がある
- 原因はタクトスイッチの劣化です。 ON 抵抗が大きくなっているのです。
- ボタンを押しても反応がないとイライラするので、タクトスイッチを全数交換します。
- カバーを開けた状態で、下の写真の [赤〇] のネジと [黄〇] の FFC を外すと [操作パネルユニット] が取り出せます。
- 取り出した [操作パネルユニット] の裏側に見えるネジを全て外すと、下の写真の [操作パネル基板] が分離できます。
- [ゆっくり] ボタンの下に隠れているタクトスイッチにアクセスするため、[黄〇] の LED の半田付けを外します。
- これで下の写真のように、全てのタクトスイッチにアクセスできるようになりました。
- 基板の製造マーキングより、4号機は2008年5月8日製造と思います。
- 右の写真は基板に元々実装されていたタクトスイッチです。
- 2pin リードタイブで基板からの高さは 5mm です。全部で14個です。
- 2pin タイプなので取り外しは比較的楽です。
- 交換するタクトスイッチに [高さ 5mm] [2pin リード] を使います。タクトスイッチは規格品なので、この2つに互換性があれば取付できます。
- 作業には、基板を痛めないよう 18W の半田ゴテを使います。
- 再組立てして、ボタン操作が軽快にキチッと効くようになりました！！！
(3号機に移植してしまったので) [音量ノブ] が欠品している
- 全く同じノブの入手は絶対無理です。ノブ軸に適合するするのは [直径 6mm] [D 型] です。
- 手持ちのノブでよく似た形状のものと交換します。下の写真は取り付けたノブの表と裏です。直径 40mm です。
  
  　
完成した [4号機]
- [音量ノブ] がオリジナルと違いますが、そう違和感ないレベルです。予備機にするかな。

使ってみました

デザイン
- 格好良い外観で、大きめのホームラジオサイズです。
- AC アダプタなしで AC100V で使える、まさにホームラジオです。
- 電池で使う場合は [単2乾電池]×6本です。
- ドットマトリックスの LCD は見易いです。
感度と音質
- FM の感度は良く、ロッドアンテナだけで主要ローカル局を全て良好に受信できます。
- AM の感度は、バーアンテナが 12cm あるので高感度です。夜になると関西や北海道の放送が受信できます。
- 音はラジオ用に作られた音ですが、筐体が大きいこともあって、余裕があって聴きやすい良音です。
感想
- 2台セット千円のジャンク品として買った RF-U350 が2台とも良好動作してしまいました。
- 予想外というか、ラッキーというか、ラジオが増えて困ります！