日本語 LindowsOS 4.0 beta 評価
2003年9月12日、帰宅途中の北千住駅内の書籍売場で買った雑誌「DOS/V POWER REPORT 2003年10月号(980円)」の付録 DVD-ROM に 日本語 LindowsOS 4.0 beta 版が入っていました。 早速インストールして未知なる LindowsOS を評価してみました。
なお、あくまでも beta 版の評価です。 製品版とは違うと思います。 参考です。
LindowsOS は、初期の頃、ほとんどの Windows アプリケーションが動作すると言う前宣伝でしたが、開発が進むにつれて一部の Windows アプリケーションが動く・・・と訂正されました。 「
ほとんど
」と「
一部
」ではえらい違いです。 LindowsOS は通常の Linux ディストリビューション版と同じになってしまったのか???
LindowsOS インストール
日本語 LindowsOS 4.0 beta
を
Dell Dimension J500C
(Celeron 500MHz, 256MB, 15GB)にインストールしてみました。
DOS/V POWER REPORT 10月号(980円)の付録DVD-ROM から LindowsOS CD-ROM イメージデータを CD-ROM に焼き付けてブートメディアを作成しました。
作成した LindowOS CD-ROM を J500C に実装し、電源ONからインストール完了までは 6分45秒でした。 Windows や Linux と比べて非常に短時間でインストールが完了します。
インストール完了時に「CD-ROM を取り外して任意のキーを押すように」という旨の英語メッセージが出ますが、この通りにしても完了しませんでした。 強制的に電源OFFして完了させました。
ブートしてみたら正常に立ち上がるので、インストールはうまくいったと思われます。
LindowsOS 立ち上げ
J500C の電源ONで問題なく立ち上がりました。
LindowsOS お試し操作
画面は Linux のどのディストリビューションより洗練されています。 Windows ユーザなら同じ感覚で操作できます。 Windows のスタートメニューと同じようなメニューが同じ位置にあり、悩むことはないでしょう。
Windows のタスクバーに相当するものもあります。 デフォルトではアイコンが大きすぎるので「大きさ」を 中→小 に設定変更するとちょうど良くなります。 「小」で Windows のタスクバーに表示されるアイコンと同じくらいの大きさになります。
すぐに日本語FEP のチェックをしました。 残念ながら ATOK ではありませんでした。 Linux版 ATOK が入っていたら、これだけでも大儲けのはずだったのですが残念でした。 製品版には ATOK が入っているはずです。 beta 版に入っているのは canna だと思います。 「Shift + Space」で起動しますから。
「アプリケーション/オフィス」に StarSuite 6.0 があるか探してみましたが、入っていませんでした。 MS-Office コンパチの有料ソフトですからね。 製品版には入っているはずです。
ブラウザには Mozilla をモジった Wazilla が入っていました。 操作感は普通です。 とりあえずウェブアクセスするのに何も困らないでしょう。
メーラーにも Wazilla Mail が使われています。 ごく普通のメーラーと言った感じで良くも悪くもなく、平均点です。 メッセージフィルターなどのどうしても必要な機能はちゃんとありました。
Linux の全てのディストリビューションにも言えるのですが、日本語フォントや文字間隔(特に上下の間隔が狭い。)が綺麗ではなく、お世辞にも読み易いとは言えません。 日本でシェアを獲得しようと思ったら真っ先に改善すべきです。 だって、この Lindows は一般人向けを狙っているんでしょ。 汚いフォントではシェアを獲得できるとは思えません。 フォントが True type じゃないんです。 標準サイズより少しでも拡大・縮小したらフォントが崩れて醜くなります。
マウスのスクロールホイールを操作すると、スクロールアップは正常ですがスクロールダウンが効きません。 バグだと思いますが、製品版では直っていることを願うばかりです。
全体的に beta 版の完成度が低いです。 MicroSoft の beta 版の完成度と比べると月とスッポンです。 これで beta 版ですから、製品版の完成度はかなり悪いのでは・・・と懸念されます。
ハードウェアの認識性
J500C 内臓のハードは全て自動認識しています。 J500C と Lindows の相性は良いようです。
サウンドボードに C-Media CMI8738 使用のものを使いましたが、Lindows インストール時に自動認識されました。
LANボードに Realtek のチップを使用したエレコム LD-10/100S という超安いものを使いましたが、Lindows インストール時に自動認識されました。
外付けDVD-ROMの I-O DATA DVDC-U6 (USB2.0) を接続してみました。 あっと言う間に自動認識しました。 これは Linux としては画期的です。 今までの Linux では必ず人が介在してコンソールからコマンドをたたくとかが必要でした。 かなり進化しています。
これなら映画DVDも動いてしまうのでは?
と試してみましたが、これはダメでした。 しかし、見えた動画ファイルをクリックすると Wazilla が自動起動して「Lindows Plus をインストールするように」という旨の英語メッセージが出てきました。 beta 版ですからライセンスを持っていないのでインストールできませんでしたが・・・。
音楽CDは問題なく再生できました。
Rio600(MP3プレーヤ)を接続しました。 残念ながら、これは認識しませんでした。 どういう状態になっているのか調べたいのですが、Windows のコントロールパネルに相当するのがどれか把握できていないので現状判りません。
USBスティックメモリを挿入すると瞬間で認識しました。 この中にたまたま PDFファイルがあったのですが、このファイルをダブルクリックすると「PS/PDFビューア」が立ち上がり表示させることができました。
Windows でファーマットされたフロッピディスクをセットすると、このフロッピがちゃんとマウントされ、ファイル参照できました。
上の2つ例で判るように、LindowsOS は MSフォーマットを認識するようです。 (通常、Linux は UNIXフォーマットなので、MSフォーマットは読めないのが普通です。) このおかげで、Windows とメディアベースでもデータ交換できます。
その他
「アプリケーション/ユーティリティー」に「コンソール」がありました。 やっと見つけました。 完全に日本語化されています。 私はこのターミナルエミュレータがないと落ち着かないです。 GUIは何をやっているか見当つかないので不安なんです。 やっぱり UNIX はコマンドモードですね。
MP3ファイルをダブルクリックするとMP3プレーヤで自動演奏が始まります。 MP3ファイルの親和性は問題ないです。
全体として
Windowsユーザーならそれほど抵抗なく使えると思います。 ユーザインタフェースは LindowsOS 以外のどの Linuxディストリビューションより優れています。
Linux は表面的には GUI となっていても、実際に新しいプログラムをインストールするとかデバイスの定義を変えるとかでは、コマンドラインモードを避けられませんでした。 LindowsOS はコマンドラインモードは全く意識しないです。 素晴らしいです。
今後の普及は、バグや日本語フォントの問題をどれだけ早期に解決できるかと、機能充実(バージョンアップ)を早期にできるか・・・にかかっています。 私としては、なかなかよく出来ているので、早く OS の一つのスタンダードとして確立ほしいと思います。