Nikon CoolPix E5700

Nikon CoolPix E5700

Nikon CoolPix E5700 をゲット！

2004年6月のアメリカ旅行用に借りてきたのですが、そのまま我が家に居ついてしまいました。

スペック的には 2/3型、補色インターライン5M CCD、原色CCDフィルター、レンズは 8倍ズームニッコールレンズ f=8.9～71.2mm(35mm判換算 35mm～280mm) F 2.8～F 4.2（10群14枚）、EDレンズ2枚使用、ISO感度 100/200/400/800、マクロ3cm～、ファンダーはEVF、ボディーはマグネシウム合金、ホットシュー搭載、となかなかのものです。

試し撮りしてみるとすごくイイ。色乗りはニコントーンでノイズ感が少ない。 CCDが 2/3型と大きいのが効いているようです。

さっそく試写！

2004年6月5日～13日のアメリカ旅行で、E5700 の試写をしました。全くの初めての使用でしたが、使いやすいので、操作で特に困ることはありませんでした。画質モードは 2560×1920の492万画素出力/FINE、プログラムAE のフルオート撮影です。

ISO100, F4.4, 1/208s
f=162mm(35mmフィルム換算）
Flagstaff, Arizona
2004/06/06 14:24

ISO100, F6, 1/237s
f=74mm(35mmフィルム換算）
Flagstaff, Arizona
2004/06/06 16:10

ISO100, F3.3, 1/3s
f=74mm(35mmフィルム換算）
Las Vegas
2004/06/09 20:31

ISO100, F7.4, 1/411s
f=280mm(35mmフィルム換算）
Flagstaff, Arizona
2004/06/06 15:40

ISO100, F4.2, 1/139s
f=280mm(35mmフィルム換算）
Grand canion
2004/06/08 13:19

ISO100, F7.2, 1/765s
f=206mm(35mmフィルム換算）
Death Valley
2004/06/10 14:44

アメリカ旅行で使ってみての感想

E5700 は2002年6月20日に「COOLPIXフラッグシップ機」として定価16.2万円（税抜）で発売されました。ですから発売開始から2年になる訳ですが、まだ販売中です。技術革新の激しいデジカメ分野で2年というのはずいぶん長いです。いまだに他メーカーの同クラスのデジカメと比べて劣るということはないです。基本性能が良いという証拠です。
旅行中にトラブると大きな痛手になります。そこでサブ機に Panasonic FZ-1 も持って行きました。幸いなことに、砂漠の40度の灼熱の暑さにも全然平気でした。
旅行中（ドライブ中）での撮影ポイントでの撮影時間ってそうないです。ですから、あれこれいじくり回すマニュアル機能はあっても使う時間がないです。フルオートで撮りきる性能が重要になります。さらにフルオートに設定しながらプログラムシフトや EV 補正が迷わずにサッと出来ることが機動性につながります。これらのハイアマチュアの要求に見事に応えています。
ファインダーが EVF なので、明るい場所でも良く見え、構図も決めやすいです。 EVF なら老眼の方でも眺めることができます。やはりデジカメの特長を引き出すには EVF がいいです。 EVF で色目が判ります。このおかげで EV 補正や WB 変更した結果が即座に確認できます。
私の場合、EVF（電子ビューファインダー）のほうが LCD モニタより見易いので、EVF ばっかり使っています。 LCD モニタはバリアングルになっており、花のマクロ写真を撮る時は使えそうです。 LCD モニタは反転させて背面にして収納できるので、EVF を使う時に LCD モニタに頬が触れて汚れるということはないので、精神上とっても良いです。 LCD モニタに不意にキズが付くことも回避できますし。
EVF のスペックは、0.44 型高温ポリシリコンTFT液晶、18万画素、視野率約97% です。割と細かく見れます。 LCD モニタは11万画素なので、EVF のほうが全然見易いです。
EVF のリフレッシュレートは20くらいでしょうか？多少カクカクするので動体を撮影するのは難しいです。
色調はニコントーンです。全体的に若干アンダー傾向がありますが、これは明る過ぎて色飛びするのを防止するためらしいです。
逆光には強いです。オートでも大抵、適正露出になります。これは EVF で色目をいつもモニターしていられることで、人間の目で監視する作用との相乗効果と思います。
シャッターを押した時に「ピッ」という音がするだけです。ちょっと寂しいです。シャッターの切り終わりが判らないです。ちゃんと撮れたかどうか大変不安になります。
使ってみて、さすがニコンと思ったのは、256分割のマルチ測光時に手前のメイン被写体と背景の色乗り処理を別々にやっているように思われることです。逆光での撮影がとっても綺麗です。人物の顔は真っ黒にならず、しかも背景の空は空色に写る。おそらく、CCD の余裕度が大きいのでこの処理が可能になっていると思われます。 2/3型で補色系500万画素の CCD の実力は凄いです。
補色系 CCD ということで、使う前は色乗りがとっても心配でした。補色系 CCD のメリットは CMY の画素全てが解像度に関係する処理に使えるので原色系 CCD より解像度が高いことと（原色系 CCD では RGB の G だけが解像度処理に使われる。）、光の透過度が高いので基本感度が高い点です。（CMY のフィルターと RGB のフィルターでどっちが光を多く通すか見比べたら一目瞭然です。）こんなにメリットのある補色系 CCD なのにデジカメでは主流になっていないのは、最終的に画像データとして保存する時に、CMY → RGB への変換処理をやる過程で（全て計算で作り出すので）偽色が出易いことです。
心配した補色系 CCD の色乗りですが、全然問題ありませんでした。おそらく CMY → RGB 変換処理が優秀なのと、レンズに高級レンズにしか使われない ED レンズを2枚も使って色ずれがそもそも少ないことが要因と思います。かえって原色系 CCD よりも色が素直なような感じさえ受けます。ニコンがあえて補色系 CCD を採用したかがよくわかります。
今回、砂漠の砂塵の中で使うということで、砂塵対策はキチンとやっておく必要がありました。このために Kenko FK-DCB7 をに購入しました。伸び縮むするレンズアダプタに MC プロテクトフィルターがセットされた製品です。 E5700 のマグネシウム合金ダイキャストボディとの質感のマッチングもピッタリで、高級感が出てしかもホールディング性が大きく向上します。お奨め！
2/3型 CCD ということから、500万画素がちょうどイイです。 1画素あたりのセルサイズは 3.1μm となり、なんとか 3μm を超えています。この 3μm 以上というのがノイズやマージンがある目安となります。 E5700 の上位機種として E8700（800万画素）が発売されましたが、これではセルサイズが 2.5μm となり、ノイズやマージンにかなり苦しいと言わざるを得ません。画質的には改悪となります。その証拠に E5700 の基本感度 ISO100 に対し、E8700 では ISO50 となっています。同じレンズを使っていますから、このレンズの開放F値からは、ISO50 というのは晴天時しか実用にならないと思います。 E8700 はニコンのフラグシップ機ではなく、他社との画素数競争のために仕方なく発売したデジカメとしか思えません。やはり、コンパクトデジカメのフラグシップ機は E5700 なのです。
AF 動作はとろいです。そしてコントラストの低い部分や暗い場所では AF が長い間考え込んで結局合わないことが多いです。これが E5700 の最大の欠点です。しかし、AF が成功した時の精度は高いです。やはり、E5700 の得意分野は静止物とマクロ分野でしょうか。
マクロ性能はすごいです。レンズ前3cmからピントが合います。これならクローズアップレンズは不要です。
マクロではまりました。マクロモードにしてチューリップマークを表示させたにも関わらず AF しない！ワイド端でもテレ端でも同じく合焦しません。これはオカシイ！故障か？？？・・・とサポートに問い合わせると、「チューリップマークが黄色表示になるようズームボタンを操作してください。そうすると AF で合焦するはずです。」従来の私の常識と違う回答です。早速試してみると OK でした。どうも E5700 の光学設計ではワイド～テレの中間前後でマクロが効くようになっているようです。
必要なところに必要な操作ボタンがあり、ボタンのイラストも適切で、何のボタンか忘れてもこのイラストを見れば思い出します。
重さは480gと重過ぎず軽過ぎずちょうど良いです。首から提げていても疲れないです。一眼レフデジカメとここが大きく違う。
使ってみて、この E5700 はレンズの切れや風景の切り取りにとっても良い性能があることが判りました。動体には弱いです。あくまでも静体用がメインです。

ドレスアップしました

Kenko FK-DCB7
2004年6月4日、ヨドバシカメラ上野店で税込4,809円でした。（定価は税込7,455円）「伸び縮むする E5700 専用 52mm径アダプターチューブ DC-B7」＋「MCプロテクトフィルター 52mm」＋「フィルターキャップ」のセット品です。 DC-B7 を取り付けるとレンズボディが長くなるのでホールディング性がすごく良くなるのです。注意してシャッターを切ると 1/30秒でも手ブレしなくなります。
スポーツグラブ375 セミオーダー鏡筒カバー No.3060
2004年6月18日、送料・税込870円ととっても親切価格でした。ドレスアップの極めつけです。ちょうど DC-B7 にサイズを合わせたセミオーダーです。私は赤を使っています。写真上が No.3060 標準品、下がセミオーダー品です。
Nikon LC-52 52mm レンズキャップ
2004年6月5日、成田空港のカメラ店で税込400円でした。 DC-B7 を装着するとフィルター径が 52mm となるので、この LC-52 を購入しました。
Nikon BS-1 ホットシューカバー
2004年6月16日、ヨドバシカメラ上野店で税込168円（定価は税込210円）でした。ホットシューの接点が剥き出しが気になったので購入しました。右側の写真は取付後です。

以上のドレスアップで、誰しも振り返るような素晴らしい外観になりました。同じ使うなら気分良く使ったほうがイイです。

追加した小物

Kenko C-PL(W) 52mm
2004年6月17日、キムラカメラ神田店で中古税込2,100円でした。ワイド広角レンズ対応・薄枠サーキュラーPLフィルターです。希望小売価格は税込5,500円。
ROWA EN-EL1-J
2004年6月18日、送料・税込2,000円でした。ニコン EN-EL1 リチウムイオン充電バッテリの互換バッテリです。ニコン純正は 7.4V 650mAH で接触端子がニッケルメッキですが、こちらは 7.4V 720mA で接触端子が金メッキと明らかに上位スペックです。しかも作りも ROWA のもののほうがシッカリしています。

E5700 のレビュー記事

E5700 がアメリカなどでどう評価されているか興味があります。以下のページにレビュー記事がありました。