YAMAHA T-2x (2号機) がやってきた
2009年12月28日、
YAMAHA T-2x
の再調整依頼品が送られてきました。
早速、動作チェック
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外観
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オールアルミ筐体で超高級感があり、非常に綺麗な逸品です。
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フロントパネルは綺麗です。
僅かな錆が出ていますが目立たないです。
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リアパネル、天板、底板も綺麗です。
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入手した状態のまま電源 ON してチェックしました
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電源は問題なく入りました。
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表示やボタン操作は全て正常です。
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FM はほぼ正常に受信でき、[STEREO] ランプも点灯しますますが、問題もあります
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周波数ズレする直前のような感じがします。
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感度低下を感じます。
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音に歪を感じます。
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AM は正常に受信できます。
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カバーを開けてみました
写真をクリックすると拡大写真を表示できます。
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さすが T-2x です。
素晴らしい作りです。
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内部構成の解説は
T-2x (1号機)
のページを参照ください。
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使っている部品のロット番号より、本機は1983年製造品と判りました。
リペア
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修理
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プリセットボタンでクリック感に差がある
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動作そのものに異常はないですが、プリセットボタン [P1]〜[P6] 辺りと、[P7]〜[P10] 辺りで押した時の感触が違うのです。
前者はクリック感がそれほどなく、後者はしっかりしたクリック感があります。
後者のほうが正解です。
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原因はタクトスイッチの疲労劣化です。
このチューナーを使っていた人は若い数字のプリセットボタンによく聴く放送局をセットしていたのでしょう。
しかも力強く押していたと推定されます。
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プリセットボタンに相当するタクトスイッチ×10個を一斉交換しました。
一斉交換したのは、統一されたクリック感にするためです。
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当たり前ですが直りました ・・・ パチパチパチ
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FM での「周波数ズレ直前」「感度低下」「音の歪感」
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経年変化による調整ズレが原因でした。
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特に広帯域レシオ検波の NUL 調整が基準値±200mV 以内のところ、+3.2V と大きくズレていました。
これは「周波数ズレ」「音の歪」に影響します。
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再調整で完全に復活しました。
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クリーニング
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全体をマルチクリーナ D413 でクリーニングしました。
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元々綺麗な逸品が更に綺麗になりました。
再調整して使ってみました
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再調整結果
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調整方法は
T-2x (1号機)
のページを参照ください。
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再調整結果は以下です。
素晴らしい数値です。
特に高調波歪率が非常に低いです。
項目 |
RX MODE |
L |
R |
単位 |
ステレオセパレーション (1kHz) |
LOCAL |
70 |
66 |
dB |
ステレオセパレーション (1kHz) |
DX |
36 |
36 |
dB |
高調波歪率 (stereo 1kHz) |
LOCAL |
0.009 |
0.009 |
% |
高調波歪率 (stereo 1kHz) |
DX |
0.106 |
0.119 |
% |
パイロット信号キャリアリーク |
- |
-71 |
-72 |
dB |
オーディオ出力レベル偏差 (mono) |
- |
0 |
+0.16 |
dB |
REC CAL |
- |
-7.7
316.4 |
-7.9
316.4 |
dB
Hz |
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感度や音質
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再調整の結果、T-2x 本来の素晴らしい音質が蘇りました。
やはり T-2x はフラグシップ機です。
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FM の感度と妨害波排除能力は高く、音質は細身のスッキリした音です。
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AM の感度は良いです。
音は普通です。