Pioneer EXCLUSIVE F3 (2号機)

Pioneer EXCLUSIVE F3 (2号機) が到着

2022年4月7日、静岡市の M さんより Pioneer EXCLUSIVE F3 の修理依頼品が到着しました。 左の写真は照明を LED 化した後です。

25万円もする超高級 FM 専用チューナ です。

EXCLUSIVE F3 (1号機) に続いて、連続して同じ型式のチューナの修理依頼とは、何たる偶然だろうか!



程度&動作チェック

  1. 修理依頼者からのコメント

  2. 外観

  3. 入手した状態のまま電源 ON してチェック

  4. カバーを開けてチェック



リペア

  1. 音が全く出ない



  2. [PS 基板] 用のプラスチックスペーサが全て破損

  3. フロントパネルの透明ガラス板の内側に煤のような汚れが大量付着して曇っている

  4. [POWER] スイッチの動きがかなり悪い

  5. チューニングノブの動きが重い

  6. ランプがことごとく切れている







  7. 修理作業が全て終わり、調整作業に入ったら、 新たな不具合が!!!

    1. 調整作業の一番最後で左右チャンネルのレベル偏差確認で、左が右に比べて 3.2dB レベルが低いのです。

      • 1dB 未満だと無視できますが、3dB 以上も差があるのはおかしいです。

      • 左チャンネルの出力電圧は、右チャンネルの出力電圧の 0.7倍しか出ていないのです。

    2. オシロスコープでオーディオ波形を観測して原因調査

      • リアパネルの RCA 端子に行き着くまでに [MPX 基板] の中で以下のようにオーディオ信号が流れます。

        • [MPX OUT (L ch.)]→[ディエンファシス]→[アンプ]→[LPF]→[出力アンプ]→[RCA 端子 L]

        • [MPX OUT (R ch.)]→[ディエンファシス]→[アンプ]→[LPF]→[出力アンプ]→[RCA 端子 R]

      • ステレオなので、上記のように左右に同じ回路があります。

        • SSG から 1kHz mono 信号を送って、オシロスコープで順番に当たって左右のレベルを比較します。

        • [アンプ] の出力までは左右とも同じレベルですが、[LPF] の入力で左のレベルが下がります。

        • [アンプ]〜[LPF] の間が故障しているのですが、この間には [10uF/16V] の電解コンデンサしかありません。

    3. まさかと思いましたが、[10uF/16V] の電解コンデンサを交換したらレベルが正常になりました。

      • 原因は電解コンデンサで間違いありません。

      • 不良の電解コンデンサをテスターで計ってみましたが、内部短絡ではありませんでした。

      • 容量減少とも違って内部抵抗増大です。 おそらく、内部箔とリード線の接触不良と思います。

      • オーディオ装置なので左右の音質差に影響するかもしれず、左右同時に交換しました。

      • 膨大なラッピングワイヤを外すと大変なので、交換は [MPX 基板] の表だけでやりました。

    4. 直りましたが、調整のセパレーション以降をやり直すことになりました。

      • ふぅ〜疲れた。 調整のやり直しは精神的に疲れます。

  8. リアパネルの端子類に薄いサビが出ている

  9. 清掃



調整

  1. 電圧チェックポイント (VP)

  2. Pioneer EXCLUSIVE F3 (1号機) に記載の調整手順で再調整しました



使ってみました

  1. 豪華そのもの の作りに惚れ惚れ

  2. 音質

  3. その他